お墓は時間の経過とともに石に傷がついたり、浸食により風化が生じたりします。
お墓それぞれの損傷・風化の状況は、建立年数、立地条件、石材の種類などにより様々で、簡単なメンテナンス作業で済む場合と、基礎からの工事が必要な場合があります。
現在建てられているお墓は耐久性に富んだ石材が使用されているのがほとんどですが、明治から昭和期にかけては、大谷石をはじめとした柔らかい石材を使用した墓石が多く建てられていたため、これらの墓石の建替え事例は多くなっています。
お墓は建墓の際、または改葬(移転)の際は法的な手続きや証明書が必要となりますが、建替えやリフォームの際は必要がありません。ただし、リフォームする場合は、墓地の管理者やお寺の住職の了解を得ておいた方がよいでしょう。
お墓はご先祖様や故人にとって安住の地です。感謝の気持ちをいつまでも忘れないためにも、お墓の修繕やリフォームはしっかりしておきたいものです。
墓石は常に風雨に晒され日光を浴び続けているため、水垢などがたまり黒ずんできます。年月が経つとなかなか汚れが取れなくなるため、特殊技術によるクリーニングが必要になります。墓石のクリーニングについては、薬品を使用したり高圧ジェット水で洗浄したりと様々な方法があります。 墓石の光沢を取り戻すためには機械を使った研磨が行われます。また、忙しい方、体の不自由な方などのために、お墓の草抜きや掃除を行うサービスもあります。
墓石に傾きやひび割れが発生した場合は改修・補修を行います。墓石が傾いた場合は石碑を組み直して傾きを修正します。ひび割れや欠損、隙間の発生については、補修材を充填したりコーキングにより隙間を埋めたりします。
また、水はけをよくするための水抜きの設置、倒壊防止のための補強金具の取り付け、花を多く飾るために花立ての穴を広げる改修もあります。
花立てやロウソク立て、墓誌や塔婆立てなどの設置。参堂の板石や玉砂利の入れ替えなど、備品や付属品の交換や追加をすることができます。備品や付属品は建墓した後、徐々に設置していく方も多いようです。
墓石の文字は年月が経つにつれ塗装が剥げてくるため、色落ちして見えづらくなった文字を再塗装することがよくあります。また、新しい文字や家紋を追加彫りもなされます。
墓石が割れたり、倒壊してしまったりした場合は墓石を建替える以外に修復方法はありません。また、近年では古くなった墓石を新しい洋型墓石に交換する方が増えています。墓石の交換は石塔のみ、また、外柵のみの交換も可能です。