仏教の教えでは、お墓は建てただけではただの石に過ぎないとされています。そこでお墓を礼拝の対象とするための儀式を行います。これを「開眼法要」といいます。「納骨法要」は、遺骨をお墓に納める儀式です。多くの場合、納骨に合わせてお墓を建てたり、お墓ができてから納骨をしたりするため、開眼法要と納骨法要は同時に営まれることになります。
「開眼法要」とは、僧侶にお経を読んでもらい墓石に魂を入れるという儀式です。
公営霊園や民営霊園の場合は僧侶に開眼法要を依頼する必要がありますが、寺院墓地であれば、その菩提寺の僧侶が執り行います。時期としては一周忌やお彼岸などの仏事にあわせて行うのが一般的で、親族も参列します。
当日はあらかじめ墓石の周りを掃除しておき、供物・線香・お花などを墓前に準備しておきます。墓前にて僧侶の読経の後、順番に焼香し故人の冥福を祈ります。開眼法要が終わると納骨が行われます。
開眼法要には礼服にて参列するのが一般的です。開眼法要にかかる費用としては、供物・お花・お香、僧侶への御布施、法要後のお礼の宴席代などがあります。
遺骨をお墓に埋葬するときに行うのが「納骨法要」です。
新しくお墓を建てた場合の納骨法要は、開眼法要を兼ねた形で行われます。既に先祖を祀っているお墓に納骨する場合には、納骨法要のみを行います。
納骨法要はごく内輪で行うのが一般的です。宗教によっては卒塔婆が必要となり、遺骨、遺影、位牌や埋葬許可証と認印を用意する必要があります。
納骨法要の手順は、まず石蓋を開け、施主が骨壷を納骨室に納めます。次に卒塔婆を墓石の後ろに立て、花や線香を墓前に供えます。そして、僧侶の読経の後、順番に焼香し故人の冥福を祈ります。